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Keiword Entry 6

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LOVE FOREVER

散歩道

去年の暮れ、確か12月の頭くらいだったろうか。
私たち家族と不思議な共同生活を送っていた、
お隣さんちの犬「ラブちゃん」が静かに息を引き取った。

冬が近づくにつれ、帰宅時の出迎えが少なくなっていき、
残業が多くなった私は、ほとんどその姿を目にすることがなくなった。
その頃から、私の代わりに
母が「ラブちゃん」の世話をするようになった。
深夜に帰宅しても、母はどうしても彼の話をしたいらしく、
疲れた私は苦笑いしながら、その話を聞いていた。
これまで全く興味を示していなかった母も、
今ではすっかり溺愛してしまっているようだった。

そして12月に入り、母の口から
「ラブちゃんはもう長くないんや」
という言葉が飛び出した。信じられなかった。
私の頭の中には、
一緒にあぜ道を駆け回っていた頃の元気な姿しか残っておらず、
冬を乗り切ればまた遊ぶことができると思っていたのだ。

しかし、母の言葉に間違いはなかった。
衝撃の告白から一週間後、「ラブちゃん」はこの世を去った。
深夜に帰宅した私は、すぐさまお隣さんちの納屋に向かった。
閉ざされたシャッターの向こうに、現実が待っている。
怖かった。どんな状態で彼はそこにいるんだろう。
動揺したまま、シャッターを持ち上げる。

― 抜け殻。

倒れ伏した「ラブちゃん」を見て、そう思った。
全く別物なのだ。これが「ラブちゃん」であるはずがない。
まるで置物じゃないか。剥製を見ているようだ。
きっと人間の場合も同じだと思うが、
ぴくりとも動かない体を見て、その人だとは思えない。
眠っている人だって、呼吸をして胸が動くし、眼球運動もしている。
なにがしかの生命の灯を感じるのだ。
それが一切なくなった彼の姿は、抜け殻そのもの。

だからきっと、弱って動けなくなった体を抜け出して、
今では自由に空を、野山を駆け巡っているんだと。
私は思う。
本当のご主人に会いに行ったかもしれないし、
自分を生んでくれたお母さんのところかもしれない。
自由を手に入れた「ラブちゃん」は今、とても幸せなのだと。
そう思いたい。


「ラブちゃん」が去って、3カ月が経つ。
最期の弱っていく様が胸に焼き付いている母は、
未だに思い出しては感傷的になっているようだ。
私も駐車場に向かう度、彼のことを思い出している。
帰宅して車のドアを開けると、
彼の鳴き声とあの強烈な臭いがしてくるんじゃないか。
分かっているのに期待してしまう自分がいる。

額をなでた感触、手のひらの柔らかさ、
一緒に走っている時のこっちを見つめるまなざし・・・
すべてがとても懐かしく、とても切ない。

だけど、私の人生においてかけがえのない思い出だ。
私たち家族にとって、宝物の半年間だったよ。
いつまでも色あせることなく、お前のことを思い出すよ。

ありがとう、ラブちゃん。
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2009/03/13 未分類 C2 T0  

Comment

bose sis.  URL   2009/03/15

ほんまやね。

わたしたちは彼に愛情を「与えてた」つもりだったんだけど、
逆に「与えてくれてた」んだって気付いたね。

素敵な時間をありがとう、だね。

bose sis.へ  URL   2009/03/22

今は感謝の気持ちでいっぱいやなぁ。
しばらくは惜しんでばかりだったんだけどね。

満たされたり、勉強にもなったよ。
ああ、ラブちゃーん!

 
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